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敷金返還と原状回復工事

賃貸住宅を退去する際に、ちょっと気になるのが敷金の返還額

貸主(若しくは管理会社)からの結果の知らせを、ドキドキしながら

待った経験がある方も、多いのではないかと思います。

そもそも、敷金って、どういうお金なんでしょうか。

敷金とは

敷金とは、借主が賃料をきちんと払わなかったり、借室を故意・過失

などで壊してしまった時などのために、あらかじめ預かっておくお金。

つまり、貸主サイドとしては「何かあったとき」のリスク担保のための

お金です。

営利事業とはいえ、見ず知らずの人に大切な部屋を貸すわけですから、

出来る限り担保はとっておきたい訳です。

なので、借主さんがきちんと賃料を払っていたり、借室もきちんと使用して

いて特に破損個所等直すところがない場合は、返還するべきお金ということです。

「標準住宅賃貸借契約」では、以下のように定められています。

(敷金)
第6条 乙は、本契約から生じる債務の担保として、頭書(3)に記載する敷金を甲に預け入れるものとする。
2 乙は、本物件を明け渡すまでの間、敷金をもって賃料、共益費その他の債務と相殺をすることができない。
3 甲は、本物件の明渡しがあったときは、遅滞なく、敷金の全額を無利息で乙に返還しなければならない。ただし、甲は、本物件の明渡し時に、賃料の滞納、原状回復に要する費用の未払いその他の本契約から生じる乙の債務の不履行が存在する場合には、当該債務の額を敷金から差し引くことができる。
4 前項ただし書の場合には、甲は、敷金から差し引く債務の額の内訳を乙に明示しなければならない。

敷金から差し引けるのは、

・未払い家賃
・故意または過失、通常の使い方を越えた使用による損耗の修繕費用
・新設または造作・模様替えをした場合の原状回復費用
・退去時の残留物等の撤去費

原状回復費用

そこで、問題になるのが「原状回復費用」

退去後のリフォーム工事なんかのことですが、

どの程度のリフォームが必要で、どこまでを借主が負担する必要があるか、

を決めなくては、敷金の返還額が決定できません。

 当然、貸主と借主の利害が対立する部分なので、この決め方でトラブルが

多く発生するわけです。

国土交通省ガイドライン

この敷金返還に関する問題を未然に防ぐ目的で、「国土交通省ガイドライン」

というものが定められています。

このガイドラインで、原状回復についての考え方及び貸主・借主の負担区分を

定めています。

 → 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

このガイドラインは、法的拘束力はありませんが、契約の際の指針となります。

また、東京都は 「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」を作成しています。

ガイドラインでは、原状回復の負担区分について、

建物や設備が自然に劣化・損耗したり(経年変化分)、普通に暮らして損耗した分(通常損耗)については、

貸主の負担で修繕し、入居者の故意・過失、または善管注意義務違反などは、入居者の負担になると

しています。

具体的には、貸主の負担となるものとして、

●家具の設置による床・カーペットのへこみ、設置跡
●テレビ・冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(電気やけ)
●壁にはったポスター等によるクロスの変色、日照など自然現象によるクロス・畳の変色、フローリングの色落ち
●貸借人所有のエアコン設置による壁のビス穴・跡
●下地ボードの張替えが不要である程度の画鋲・ピンの穴
●耐用年数到来による設備・機器の故障・使用不能
●構造的な欠陥により発生した畳の変色、フローリングの色落ち、網入りガラスの亀裂
●特に破損等していないものの、次の入居者を確保するために行う畳の裏返し・表替え、網戸の交換、浴槽・風呂釜等の取替え、破損・紛失していない場合の鍵の取替え
●フローリングのワックスがけ、台所・トイレの消毒、専門業者による全体のハウスクリーニング

借主の負担となるものとして、

●飲みこぼし等を放置したカーペットのカビ・シミ
●結露を放置したことにより拡大したカビ・シミ
●クーラーからの水漏れを放置したことによる壁の腐食
●台所の油汚れ、冷蔵庫下のサビ跡
●引越し作業・キャスター付きイス等によるフローリング等のキズ
●ペットによる柱等のキズ
●賃借人の不注意により雨が吹き込んできたような場合のフローリングの色落ち
●風呂、トイレ等の水垢、カビ等
●日常の不適切な手入れもしくは用法違反による設備の毀損
●重量物をかけるためにあけた壁等の釘穴・ビス穴で下地ボードの張替えが必要なもの
●天井に直接つけた証明器具の跡

と例示しています。

トラブルを避けるために

インターネットで「敷金返還」と検索すると、かなりの数の敷金返還代行サイトが

表示されます。主に司法書士さんによるサイトですが、これは敷金に関する

トラブルが多いこと、及び、これからさらに敷金トラブルが増えることが想像されます。

トラブルを避けるためには、借主としてはとにかく、契約書等の書類をよく読み、

不明な部分や曖昧な部分については、内容を確認すること。

また、入居前に部屋の状況をよく確認して、入居確認書等の書面に、気になるところは

記載しておくこと。

貸主としては、敷引きや交換・補修費用負担の特約を設けたい場合は、契約書・重要事項説明書

以外にもわかりやすく内容を記載した書面を準備し、しつこいくらいに説明しておくことでしょう。

契約上、敷引きや交換・補修費用負担の特約はいちおう有効ですが、金額に妥当性がなかったり、

説明が不十分だったりすると、消費者契約法により無効とされてしまう可能性もあります。

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